公正取引委員会は携帯電話キャリアのスマトーフォン販売で行われている
「4年縛り」と呼ばれている販売方法がMVNO(格安SIM)との競争を阻害している可能性がないか調査すると読売新聞が報じています。
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携帯電話キャリアの4年縛りが格安SIMとの競争を阻害している?
公正取引委員会は、「4年縛り」と呼ばれる携帯大手のスマートフォン販売について、特殊な値引き契約で利用者を囲い込んで、格安スマホ事業者との競争を阻害していないか調査する。
近く有識者会議を設置し、大手などにヒアリングを実施した上で、今夏をめどに公取委の見解を示す報告書をまとめる。
携帯業界を所管する総務省もスマホ政策の見直しを進めており、公取委は総務省と連携して独占禁止法上の問題行為があれば洗い出し、改善につなげる。
公取委は、一部の携帯大手がスマホを4年間の分割払い契約で販売するプランを問題視している。このプランは、スマホの購入から実質2年後にスマホを買い替えて同じプランに再加入すれば、端末代金の残額が無料となる。大幅に安く端末を買えることになるため、利用者を4年以上囲い込みやすくなるとされ、業界には「利用者の他社への乗り換えが進まない」(格安事業者)などの批判もある。
引用:Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180405-00050108-yom-bus_all
4年縛り契約が始まった時からこれを放置するのはダメだろうって思ってたけど、やっと公正取引委員会の調査が入る模様。
2年後に機種変更をすると残債が無くなると言うけど、その後また4年契約を新しく結ぶ必要があるので乗り換えを阻止したいだけなのがミエミエだし、以前の2年縛りで実質0円の時の方が大分マシだったと思う。
格安SIM事業者の批判も当然でしょう。
そういう格安SIMも2~3年契約を始めてるけど。
携帯電話キャリアの4年縛りとは?
今の所、au、ソフトバンクが「4年縛り」プランを提供している
「4年縛り」はauは「アップグレードプログラムEX」、ソフトバンクは「半額サポート」という名称で提供しています。
どちらもスマートフォンを4年間(48ヶ月)の割賦で購入し、購入から2年後(24ヶ月)に端末を返却して機種変更を行う事で旧端末の残債の残り2年分が免除されるというもの。
これは自動車販売にもある残価設定型ローンと同じ。
2年後に機種変更した際は再び4年縛りプランに加入する事になるので、いつまで経ってもそのキャリアから抜け出せないという仕組み。
自動車みたいな高価な買い物はまだ分かるけど、携帯電話ですら自分の物ではなく「レンタル」しているようなもの。
他社や格安SIMへの客の流出を防ぐ為にここまでやるか?というのが正直な感想。
au「アップグレードプログラムEX」の仕組み
購入したスマホの代金を4年割賦(48回払い)で購入。
スマホ機種代金が72,000円だった場合、1,500円x48回払いになる。
割賦を24回払ったタイミングで機種変更を行うと残債の36,000円の支払いが不要になるという仕組み。
※iPhone用の12回払うと機種変更が出来るプランもあるけど割愛
要するに2年後にそれまで使っていた旧機種をauに半額で買い取ってもらうようなもの。
旧機種の電源が入らなかったり、液晶が割れていたりすると修理費用が2万円掛かるので注意が必要。(故障紛失サポートに加入していると2,000円で修理出来る)
ソフトバンク「半額サポート」の仕組み
ソフトバンクとauの違いは「プログラム料」の設定があるかどうか。
auは毎月390円x24回の「プログラム料」があるがソフトバンクは無い。
ソフトバンクの「半額サポート」もauと同様に割賦を24回払ったタイミングで機種変更を行うと残債の支払いが不要になるという仕組みは同じ。
旧機種の電源が入らなかったり、液晶が割れていたりすると修理費用が2万円掛かるのも同じ。(あんしん保証パックに加入していると2,000円で修理出来る)
ソフトバンクの場合は13ヶ月目以降なら差額を支払う事で機種変更の前倒しが出来る。
auはiPhone用の1年プランに入る必要があるけどソフトバンクはAndroid端末でも可能という感じ。
ほとんどの人はiPhoneの新機種を毎年使いたいという人だと思うのでau、ソフトバンクどっちでも変わらないかな。
携帯電話キャリア4年縛りの問題点
(1)旧端末は買取業者やオークションで売った方が高い
Androidは機種によるけど、iPhoneは買取価格が高いので発売から2年後に売ったとしても半額以上になるケースが多い。
iPhone 7で調査してみた。
iPhone 7 32GB(ドコモ)2016年9月発売(ソフマップ買取)
ソフマップ買取のiPhone 7 32GBモデルの買取価格は28,000円。(2018年4月時点)
iPhone 7 32GB(ドコモ)の当時の定価は82,296円なので半額以下。
ソフマップ買取はあまり高くないのと、iPhone 8、Xの発売で相場が下がったので半額以下になっている。
Yahoo!オークション
新品未開封の物が55,000円とかなり高いけどこれは特殊な例だと思う。
普通レベルの物は32,000~43,000円位で落札されている。
状態さえ良ければ2年半経った今でも半額以上で売れるという事が分かる。
ムスビー(白ロム・中古携帯販売)
ムスビーはYahoo!オークションよりも品質が分かりやすく安心感があるので相場は高め。
状態B(多少の傷や汚れがある)でも48,400円と高値を維持している。
45,000円以下のものは取引中、売り切れになっているので48,000円でも売れるという事でしょう。
(2)4年縛りが永遠に続く
2年後に機種変更を行った場合、再び4年縛り契約を結ぶ事になる。
ずっと同じキャリアを使い続けても良いならともかく、他社への移動がしにくくなるのはデメリット。
自分の好きなタイミングでMNPのキャンペーンを狙える方が結果的にお得になる可能性が高い。
キャリアは面倒な事を考えたくないという人をターゲットにしているので戦略は間違ってないと思うけど、TVCMではひたすら半額半額と言ってゴリ押し。
あれじゃ4年縛りの実態は全く分からないし、ショップでも4年縛りを積極的に売り込んでいるのであまり考えずに契約してしまう人も多いのは問題。
携帯業界を所管する総務省もスマホ政策の見直しを進めており、公取委は総務省と連携して独占禁止法上の問題行為があれば洗い出し、改善につなげる。
公正取引委員会が有識者会議を設置してキャリアとヒアリングして報告書を作成するとの事なので、何らかの改善を望みたい所。