au、ソフトバンクの行っている携帯電話の「4年縛り」による販売手法を見直す方針であると読売新聞、日本経済新聞が報じました。
公正取引委員会からの指導に従った対応を取る模様です。
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公正取引委員会はau、ソフトバンクの「4年縛り契約」を独占禁止法上問題があると指摘
公正取引委員会が問題視していた4年縛りの調査が始まったのが2018年4月
⇒携帯電話キャリアの「4年縛り」を公正取引委員会が調査へ!【MVNOから批判】
その後、2018年6月28日に「2年縛り」「4年縛り」「SIMロック」等のスマートフォン販売時に大手携帯キャリアが用いている販売方法について「ユーザーを拘束している為、独占禁止法上の問題がある」と指摘していました。
公正取引委員会
(平成30年6月28日)携帯電話市場の競争政策上の課題について(平成30年度調査)
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h30/jun/180628.html
auは4年縛り契約の見直しを検討!ソフトバンクも追従へ
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20180727-OYT1T50032.html
公正取引委員会が調査を開始していた「4年縛り」の問題が進展しました。
公正取引委員会は「利用者を不当に囲い込む問題行為だ」との見方を示した事から、auは何らかの変更を行う模様です。
「スマホを実質半額で買う際に課しているプランへの再加入条件を廃止する方向」と書かれているので、これまでは4年縛り契約後2年後に新機種へ乗り換えた際は、再度4年縛りプランに加入する必要があったがこの条件を廃止にする?
この文章だけだと、4年縛りの仕組みが変わるのか、4年縛りそのものが廃止になるのかは不明ですね。
ソフトバンクも「公正取引委員会の指摘を踏まえて検討する方針」とコメントしているので、何らかの変更を行う模様です。
携帯電話キャリアの4年縛りとは?
今の所、au、ソフトバンクが「4年縛り」プランを提供している
「4年縛り」はauは「アップグレードプログラムEX」、ソフトバンクは「半額サポート」という名称で提供しています。
どちらもスマートフォンを4年間(48ヶ月)の割賦で購入し、購入から2年後(24ヶ月)に端末を返却して機種変更を行う事で旧端末の残債の残り2年分が免除されるというもの。
これは自動車販売にもある残価設定型ローンと同じ。
2年後に機種変更した際は再び4年縛りプランに加入する事になるので、いつまで経ってもそのキャリアから抜け出せないという仕組み。
自動車みたいな高価な買い物はまだ分かるけど、携帯電話ですら自分の物ではなく「レンタル」しているようなもの。
他社や格安SIMへの客の流出を防ぐ為にここまでやるか?というのが正直な感想。
au「アップグレードプログラムEX」の仕組み
購入したスマホの代金を4年割賦(48回払い)で購入。
スマホ機種代金が72,000円だった場合、1,500円x48回払いになる。
割賦を24回払ったタイミングで機種変更を行うと残債の36,000円の支払いが不要になるという仕組み。
※iPhone用の12回払うと機種変更が出来るプランもあるけど割愛
要するに2年後にそれまで使っていた旧機種をauに半額で買い取ってもらうようなもの。
旧機種の電源が入らなかったり、液晶が割れていたりすると修理費用が2万円掛かるので注意が必要。(故障紛失サポートに加入していると2,000円で修理出来る)
ソフトバンク「半額サポート」の仕組み
ソフトバンクとauの違いは「プログラム料」の設定があるかどうか。
auは毎月390円x24回の「プログラム料」があるがソフトバンクは無い。
ソフトバンクの「半額サポート」もauと同様に割賦を24回払ったタイミングで機種変更を行うと残債の支払いが不要になるという仕組みは同じ。
旧機種の電源が入らなかったり、液晶が割れていたりすると修理費用が2万円掛かるのも同じ。(あんしん保証パックに加入していると2,000円で修理出来る)
ソフトバンクの場合は13ヶ月目以降なら差額を支払う事で機種変更の前倒しが出来る。
auはiPhone用の1年プランに入る必要があるけどソフトバンクはAndroid端末でも可能という感じ。
ほとんどの人はiPhoneの新機種を毎年使いたいという人だと思うのでau、ソフトバンクどっちでも変わらないかな。
携帯電話キャリア4年縛りの問題点
(1)旧端末は買取業者やオークションで売った方が高い
Androidは機種によるけど、iPhoneは買取価格が高いので発売から2年後に売ったとしても半額以上になるケースが多い。
iPhone 7で調査してみた。
iPhone 7 32GB(ドコモ)2016年9月発売(ソフマップ買取)
ソフマップ買取のiPhone 7 32GBモデルの買取価格は28,000円。(2018年4月時点)
iPhone 7 32GB(ドコモ)の当時の定価は82,296円なので半額以下。
ソフマップ買取はあまり高くないのと、iPhone 8、Xの発売で相場が下がったので半額以下になっている。
Yahoo!オークション
新品未開封の物が55,000円とかなり高いけどこれは特殊な例だと思う。
普通レベルの物は32,000~43,000円位で落札されている。
状態さえ良ければ2年半経った今でも半額以上で売れるという事が分かる。
ムスビー(白ロム・中古携帯販売)
ムスビーはYahoo!オークションよりも品質が分かりやすく安心感があるので相場は高め。
状態B(多少の傷や汚れがある)でも48,400円と高値を維持している。
45,000円以下のものは取引中、売り切れになっているので48,000円でも売れるという事でしょう。
(2)4年縛りが永遠に続く
2年後に機種変更を行った場合、再び4年縛り契約を結ぶ事になる。
ずっと同じキャリアを使い続けても良いならともかく、他社への移動がしにくくなるのはデメリット。
自分の好きなタイミングでMNPのキャンペーンを狙える方が結果的にお得になる可能性が高い。
キャリアは面倒な事を考えたくないという人をターゲットにしているので戦略は間違ってないと思うけど、TVCMではひたすら半額半額と言ってゴリ押し。
あれじゃ4年縛りの実態は全く分からないし、ショップでも4年縛りを積極的に売り込んでいるのであまり考えずに契約してしまう人も多いのは問題。